※微エロ注意です。
一応、15歳以上対象ということでww







「ねぇ志摩子。鯉のぼりってさ…」
 お姉さまのベッドの上で、私を抱きしめるようにして座っているお姉さまが唐突に言った。
「鯉のぼりがどうかなさったんですか?」
「あれってさ。ポールにくくったら下に垂れるじゃない」
「ええ。それが何か?」
「いや、垂れれる間は確かに滝を登ってるように見えないこともないけどさ、風が吹いたら…というか、幼稚園とかで園児が作るのとか、簡単な飾りとかは真横になってるじゃない。あれ登ってるというよりむしろ泳いでる感じしない?」
「まあ、確かに…」
「てか、そもそもなんで鯉を吊ってんのかね?」
「それは、昔。鯉が滝を登りきると竜になるという伝説から来ているんだと思いますが…。その鯉のように、自分の子どもにも、竜のように、力強く成長して欲しいという願いをかけてつるしてるんでしょう」
「志摩子は物知りだなぁ。……けどそれってさ」
「はい?」
「……わかりにくくない?」
「……まぁ」
「まったく。昔の人の感性は分からんよ。 それより、昨日買っておいたかしわ餅食べよ。『ふつー』のね」
「ふふ。はい」

 お姉さまが『ふつー』を強調したのは、昨日私に向かって言った『一日早いけど、いただきます』が絡んでいたりして。




あとがき

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